2016年12月30日金曜日

日本人はなぜ豊かになれないのか?その1住宅投資

一生で一番高価な買い物が、一生かかってローンの返済をし、いざ、売ろうとしたらタダです、と言われる。なんというひどい現状でしょう。
なぜ、こういうことになってしまったのか!
アメリカは、資産額が投資額を上回っているが、日本は500兆円も下回る。
住宅生産性研究会(HICPM)の戸谷英世理事長が口をすっぱくして言っている通りである。
農業と同じで、日本の住宅政策が根本的に間違っている。
昨日のブログ「Why! なぜ日本人は住宅ローンに大金を払う?」と合わせて読んでください。


「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会報告書・国土交通省:平成25年」より

<・・・3 .現行の建物評価が国民資産全体に与える影響 建物が経年で急激に減価することが我が国の国民資産に与える影響として如実 に現われているのが、これまで行われてきた住宅投資額の累積と住宅ストックの資産額の差異である。
すなわち、米国では、住宅投資額に見合う、あるいはそれ以上の資産額が蓄積し ているのに対し、日本では、投資額の累積を約 500 兆円下回る額のストックしか積 み上がっていない。

米国の投資額をストック額が上回る部分は市場における評価が既投資額を上回 っている可能性を示唆している。一方で、我が国では、投資額の累計とストック額 の差が年々開いており、市場価値の低さと固定資本減耗の速さ・滅失率の高さが影響していると考えられる。・・・>

この事実は、赤ちゃんから高齢者まで、日本国民全員が一人当たり約400万円の負の遺産を背負っていることになります。これでは豊になれる訳がありません。この原因は一口で表現すれば”まちづくり”ができていないからです。国民にその気がないからです。(編者)

(画像をクリックすると拡大します)

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2016年12月28日水曜日

Why! なぜ日本人は住宅ローンに大金を払う?

日経ビジネスオンライン2016.02.22からです。http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021800009/021900002/?P=1
(お断り:写真がコピーできなくて、解説だけが残っています)



ドイツから見えた日本の家の異常さ


 「どう考えても異常な状況だよ。どうして日本人は誰もおかしいと思わないの!?」
 日本の住宅制度について説明すると、ドイツ人のアストリット・マイヤーさんとアンドレアス・デレスケさんは目を大きく見開き、記者に対し次々と疑問点をぶつけてきた。そして最後には到底理解できないという様子で、両手を広げたまま固まってしまった。そのさまは、さながらお笑いタレント・厚切りジェイソンのネタのようだ。
 “Why Japanese people!”多くの日本人は当たり前のこととして受け入れているが、海外から見れば「異常な状況」として映る。それが日本の住宅政策の実態だ。
 2月22日号特集「家の寿命は20年~消えた500兆円のワケ」では、日本の住宅制度に内在する根源的な問題を取り上げた。多くの国民にとって「一生の買い物」と形容される高額取引であるが故に、「買い手と売り手との間の圧倒的な情報格差」「建物の完成前に購入する青田売り」などの不条理を、こういうものなのだと渋々受け入れるしかない。消費者が複数回の買い物を通じて“賢くなる”機会を得られないからだ。不動産を巡る数々の不条理が長年の間、問題視されることがなかったのもこの点にある。
 特集では、新築戸建ての購入から売却までの流れを描き、そこに潜むいくつもの不条理を指摘した。このうち最も深刻な問題の一つが「木造住宅の場合、20年で建物の価値がゼロになる」という慣例だ。
色とりどりの瀟洒な住宅が並ぶドイツ南西部・フライブルク郊外の街。ドイツでは家を「資産」として評価する制度が整っている
 「家なのだから住み続けるうちに価値が下がるのは当然だ」と、この慣例を受け入れている日本人は多い。だが、待ってほしい。「住宅は資産」と言うが、メンテナンス状況が正当に評価されず、価値が維持されないような商品を本当に「資産」と呼べるのだろうか。それは単なる「消費財」に過ぎないのではないか――。
 海外の多くの国では日本とまったく状況が異なっている。冒頭、2人のドイツ人が示した驚きはそうした彼我のギャップから派生しているのだ。
 ドイツ南西部の街フライブルク。中央駅から路面電車で20分ほど郊外へと走れば、赤や青、黄色など色鮮やかな家々が連なる住宅街が見えてくる。ここはマイヤーさんとデレスケさんが住むボーバン地区だ。街に足を踏み入れると、すぐに2つの「違和感」に気付いた。
 住宅街なのに通りを車がまったく走っていないのが一つ。街の入り口2カ所に大きな立体式の駐車場があり、多くの住民はそこに車を置き、歩いて家路につく。だから家の前には駐車場はなく、ベビーカーや自転車を置くスペースがあるだけだ。
住宅街の入り口に作られた立体式の駐車場。脇には車の進入を禁止する標識が立っている
家の前にあるのは駐車場ではなくベビーカー置き場
 もう一つの違和感は屋根にある。ほぼすべての住宅の屋根全面に太陽光パネルが敷かれているのだ。マイヤーさんは説明する。

「家は金融商品と一緒。投資するものでしょ」

 「駐車場のスペース確保を考えなければ、家の設計の自由度は断然大きくなる。もちろん家の近くで子供が遊んでいても危険が少ないという点も魅力よ。それに太陽光パネルを設置したおかげで、月々の光熱費よりも太陽光発電による売電収入の方が大きいのよ」
 カーポートフリーと太陽光パネル。どちらもエコロジカルな生活を追求するのが主目的のように映るが、マイヤーさんの狙いはそれだけではない。「家は資産。金融商品と一緒。住み心地という質の追求と同時に、将来の価値を考えて投資するのは当たり前のことでしょ」。実際のところ、マイヤーさんの家の単価は今、16年前の購入時の2.5~3倍に上昇している。
自宅の屋根に設置した太陽光パネルを示しながら資産価値について説明するマイヤーさん
 ボーバン地区がユニークなのは、家の資産価値を高めるために、住民主体で街づくりを進めてきた点にある。住民らでつくる協同組合がデベロッパーよりも優先的に土地を取得。居住エリアごとに建築グループを作り、議論を交わしながら家や街の設計を固めていった。エリア内への車の乗り入れ禁止などはこうした議論の中から生まれた。
 現在、協同組合の代表を務めているのがデレスケさんだ。地下にコジェネレーションの発電機を設置することで、エネルギー消費量を大きく抑えることができる「パッシブハウス」に住んでいる。デレスケさんは「家づくりや街づくりの話し合いのために多くの時間を費やしたが、まったく後悔はない。こんな素晴らしい環境と資産を手に入れることができたのだからね」と胸を張る。
 ボーバン地区は先進的なモデルケースだが、前提となる「家は資産」という考え方はドイツ全土に浸透している。
 「我々は家を長く利用することについて、とても良い経験と伝統を持っていると思います。建築当時の寛容な雰囲気をそのまま漂わせている街のたたずまいに、そこに住む人々が強い愛着を持っていますよ」
 ドイツ最大のバイエルン州で内務大臣を務めるゲアハルト・エック議員はこう説明する。
 ドイツでは不動産市場のうち7割以上を中古住宅が占めている。十数%台にとどまる日本とは対照的だ。第二次世界大戦前の建物が今も住まいとして使われている。それどころか、天井までの高さが3m50cm以上の広々とした部屋の構造を採用した築50年超の物件が多いことから、戦前に建てられた住宅が、新築より高値で取り引きされているケースも少なくない。こうした日本とドイツの不動産市場の違いは建築物の構造問題に加え、土地政策に依るところが大きい。

住民も自由に家を建てられない!?

 ドイツは、自治体ごとに20年先までの大まかな土地利用計画「Fプラン」を策定することが義務付けられている。その上で、住宅や産業、交通など土地の用途ごとの詳細な建設計画を「Bプラン」として練り上げる。将来の人口動態などの予測を踏まえ、行政だけでなく、建設・建築業者や住民などの利害関係者が参加してプランを決めるのが特徴的だ。
 商業地域や工業地域でも家を建てることができる緩やかな日本の土地区分制度と異なり、「Fプラン」と「Bプラン」の拘束力は強い。
 ドイツの住宅事情に詳しいジャーナリストの村上敦氏は「たとえ地価が上がってもプランに記載されていなければ、住宅建設のための土地売買はできないことになっている。厳格に運用されるため、家の価値がきっちりと保証されることになる」と指摘する。 
 住民だけではない。行政や建設・建築業者もプランの内容に縛られるため、無計画に住宅地が広がることはない。この10年間の新築着工件数は年15万~25万戸。総住宅数は総世帯数とほぼ同水準の4000万戸超で推移している。需給がバランスしているため、最低でもインフレ上昇分は自動的に家の資産価値が高まるメカニズムになっている。
 翻って日本。新築住宅に関する制約がないため、不動産会社や建設会社は収益力が高く、投資回収が確実な新築ばかりを作り続けている。「20年で家の価値ゼロ」との慣習が幅を利かしているため、スクラップ&ビルドのサイクルが早く、それでも一定の新築供給量は消費されてきた。
 だが、総務省の調査では、2013年の総住宅数は6063万戸に上っている。すでに総世帯数の5245万戸を大幅に上回っているのにも関わらず、今でも年90万戸の住宅が新たに作られている。その結果、500兆円もの巨大資産が消失することになったのだ。

エネルギー問題から住宅政策を大転換

 ドイツが取り組んでいるのは、新築抑制だけではない。2000年前後から中古住宅の流通活性化にも力を入れ始めた。背景にあったのは、エネルギー政策の転換だった。エネルギー資源の9割を輸入に頼っていたドイツにとって自立は重要課題。将来的に原子力発電所をゼロにする目標を掲げる一方、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を積極的に推進。同時に、エネルギー消費全体の4割を占める住宅の省エネ化に本腰を入れることになった。
「すでに建てられている家を取り壊して新たに建てるより、省エネ設備を入れるための改修・補修をすることで、コストを節約できる」(エック内務大臣)。こうした狙いから、ドイツでは新築向けに出していた補助金を廃止。その代わりとして、中古の改修・補修向けに手厚い補助金を付けることにした。住宅政策の大転換がうまく機能した陰には、EUで義務化された「エネルギー・パス」と呼ばれる住宅の省エネ評価制度の存在があった。
 同制度では、寒暖を防ぐ三重構造の窓ガラスなど家の改修によって生まれた省エネ効果を点数化。評価は不動産広告への記載が義務付けられている。点数の高低は家の資産価値に直結するため、住民らがこぞって中古住宅のリフォームに乗り出すことになったのだ。その結果、多くの建設会社や工務店がリフォーム・リノベーションへと業態を変えることになった。
ドイツ南西部の工務店で働く従業員ら。「最近は大半の仕事が中古リフォーム関連に変わった」と打ち明ける
 中古住宅を正当に評価する制度は日本にない。日本でのエネルギー・パス導入を呼びかけている日本エネルギー機関代表の中谷哲郎氏は「評価されないから、省エネ目的の改修・補修という形で中古住宅に投資するインセンティブが働きにくい。建物の価値を評価せず、中古向けにお金を出し渋る金融機関のスタンスにも問題がある」と訴える。

中古重視で示した実利

 ドイツでは当初、中古重視への住宅政策の転換に不動産・建設業界が反発した。が、その動きはすぐに鎮静化した。「中古に厚い補助金制度が意味のある経済政策だと認知された」(ジャーナリストの村上氏)点が大きかったとみられている。  
 村上氏によると、ドイツは2011年までの6年間で改修・補修関連の補助金として68億ユーロを支出。それに対し、消費税に当たる付加価値税として支出額の2倍以上の144億ユーロがリフォーム絡みで国に戻ってきた計算になるという。さらに大きな経済波及効果が不動産・建設業界に及ぶことになった。いわばドイツは実利を示すことで政策誘導に成功したのだ。
 「20年で価値ゼロ」との慣例によって、「資産」が資産にならない奇妙な国ニッポン。新築で家を買うということは極言すれば、大金を払ってわざわざ「借金」を背負っているようなもの。“Why Japanese people!”とドイツ人が指摘するところの真意に目を向ければ、我々を取り巻くまやかしの正体がおのずから見えてくる。
残念ながら子供の代まで資産として残すことができる家は日本には少ない

2016年12月22日木曜日

長野大学公立化の認可

長野大学公立化の認可証が県知事から上田市長に授与されました。
NPO法人信州まちづくり研究会は、長野大学とコラボさせて頂いております。1月6日(金)10時半から12時まで、4号館-101教室にて、当NPOがプレゼンテーションをさせて頂きます。テーマは、「美しく強靭な農村スマートテロワールの可能性」(欧州視察報告もあり)。これは長野大学の「地産地消論」シリーズの1講座です。

1/20には、菅野芳秀さんの「循環型地域づくり」、
1/27は、細井千恵子さんの「寒地の自給菜園」があります。
公開講座ですから、どなたでも参加できます。


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2016年12月9日金曜日

安江の「座右の書」

月刊「農業経営者」さん(スマートテロワール協会の事務所がある出版社)が、「本誌読者の座右の書」という特集を組み、安江(NPO事務局)の寄稿を掲載して下さいました。
6名の方々の寄稿が載っていますが安江のだけ転載しました。

ライフワークである”まちづくり”の二つのバイブルをとりあげました。

「サステイナブル・コミュニティ」(川村健一・小門裕幸著 学芸出版社)と、
「スマート・テロワール・農村消滅論からの大転換」(松尾雅彦著学芸出版社)
お二人とも広島生まれでお友達というのがすごい!

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『サステイナブル・コミュニティ』
                  (川村健一・小門裕幸共著/学芸出版社)
『スマート・テロワール』(松尾雅彦著/学芸出版社)

【まちづくり・地方活性化のバイブル】


『サステイナブル・コミュニティ』は一見、“まちづくり”の技術書だと思うかもしれませんが、私には思想的・哲学的な意味で大きな影響を与えてくれた本です。この本に巡り合ったのは1997年、私の血気盛んな現役時代でした。当時の私は、長野県立科町の姉妹都市である米国のオレゴン市で見た美しい街並みが日本と大きく違うことにショックを受け、まちづくりについてさまざまな研究をしていました。その時期にある先生から表題の本が届き、コミュニティ」、「サステイナビリティ」の意味を知りました。晴天の霹靂とはこのことです。言葉そのものは知っていましたが、その意味、内容、本質はまったく未知のものでした。オレゴンの経験から考え出し、それなりに進歩した宅地造成を自分でやっていただけに、そのときの自分の考えとの落差の大きさに大きなショックを受けました。 (2枚の写真は、当時開発した佐久市平井のフォレストヒルズ平井)
現在、一般的に行なわれている日本の宅地開発やまちづくりといわれているものが根本的に間違っていることを思い知らされたのです。街並みの美しさについて、生活の安全・安心・心地よさと街の構造との関係性、生活が環境に与える負荷に対する方法と基本哲学、つまりサステイナビリティ。
もちろん、当時でも、日本にこれらのことに配慮した開発がなかったとはいえませんが、少なくとも私自身が目にして学んだ開発のなかにはありませんでした。まさに未知への遭遇です。
核心部分は「アワニー原則」。序言、コミュニティの原則、コミュニティを包含するリージョンの原則、実現のための戦略から成っています。ポートランド市が世界でも有数の住みよい町であることは有名ですが、そのコンセプトです。一口でいうならサステイナビリティの追求であり、まちづくりのバイブルだと思います。

一方、『スマート・テロワール』は2014年秋、『農業経営者』の広告に掲載されていた本です。限界集落、消滅可能都市などといわれ、暗い雰囲気が漂う田舎の日常に、一条の光をぱっと差し込ませてくれた本でした。最初、帯に「水田を畑地に大転換すれば、農村は15兆円産業を創造できる」とあるのを見て度肝を抜かれ、評判の高い静岡県知事・川勝平太氏が書いた「スマート・テロワールは美しく強靭な農村自給圏」という賛は、まるで美しいヌードを見せられたような訳に出会ったように感じました。そして、著者が実業家だとわかり、一気に読んでしまいました。
農業問題は半世紀以上も見続けていますが、衰退の一途であることは周知のとおりです。山本農水大臣をして「日本の農林水産業が衰退産業になっているのは、日本自体が何か間違っている、政治が間違っている、あるいはシステムが間違っていると捉えるべきだと思う」と言わせる始末です。農政をやってきた当事者が自己否定するのですから始末が悪いです。
問題は対策が何もないことです。私はNPOでこの問題に取り組んでいる関係上、大勢の人に「何か対案はございませんか?」とお尋ねしましたが、いままで「ある」と答えてくださった方は皆無です。1人だけいましたが、「米作にもっと補助金を出すべきだ」というものでした。
田んぼを畑に。奇抜な考えに聞こえるかもしれませんが、冷静に思料すれば、余っているものを生かす、必要なものをよそから買わずに自分で作るという、ごく常識的なことであり、スマート・テロワールが求めているものも地域の自立と永続、つまりサステイナビリティであることがわかります。地方を活性化させ、日本の未来を開く指南書であることは間違いありません。(寄稿) 
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2016年12月7日水曜日

「貧しい人々のマニフェスト」書評

「貧しい人々のマニフェスト」(北野収翻訳)の書評を日本農業新聞がとりあげました。 これは、フェアトレードの共同設立者であるオランダ人ヴァンデルホフが書いた本です。 カール・ポランニー、そしてスマートテロワールとつながる話だと思います。 拡散をお願いいたします。 拡大してお読み下さい。 ーーーーーーーーーーーーーー トップに戻る

東信を「食の自給圏」に:信濃毎日新聞

遅すぎる掲載ですが、この記事のおかげで知名度が上がりました。
信濃毎日新聞さん、ありがとうございました。

*拡大してご覧ください。

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2016年12月6日火曜日

「TPP恥ずかしくないのか!党としてウソをつく」

 置賜自給圏推進機構の常務理事である菅野義秀さんから頂いた情報です。
 医療と保険のことをとりあげていますが、私(編集者)には判らないことだらけです。しかし、西尾名誉院長が嘘をついているとも思えません。
 よく理解できないのは、安倍総理はじめ政府はこのことを承知の上でTPPを進めようとしているのか、それとも判らないでやっているのか、ということです。
 皆さんはどう受け止められますか?
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 2016年12月2日、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏が参議院のTPP特別委員会で意見陳述をしました。YouTubeビデオのリンクを以下に貼りました。

「TPP恥ずかしくないのか!党としてウソをつく」
http://useful-info.com/dr-nishio-shows-idea-in-tpp-diet


 日本国民が知っておくべき重要な事実が多数含まれています。ビデオが見られない環境の人もいると思いますので、以下に陳述内容の書き起こしを記します。
 参考にしてください。
書き起こし始め
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かつて自民党は、「ウソはつかない!TPP断固反対!」って言ってました。稲田防衛大臣はかつて、「TPPのバスの終着駅は日本文明の墓場だ」という発言をしてるんですけれども、コロッと個人がウソをつくとかいうレベルではなくて、党としてウソをついてる、180度態度を変えちゃう。国民は一体誰に投票したらいいんですか?党の公約も破棄しちゃう。修正どころか180度変えちゃう。これはウソとしか言い様が無い。倫理的・道義的な問題はどうなっているんでしょう。恥ずかしくないんですかね!TPP断固反対と何年か前に言っていたのに。この様に息を吐くようにウソをつかれたら、やってられません!国民は。
そもそも6000ページにも及ぶ内容を本当に皆さん読んでるんですか?情報出して下さいといっても海苔弁当の段階です。知らないで、赤信号みんなで渡れば怖くないって言って、皆さん賛成しようとしている訳です。冗談ではない。条文をまともにチェックもしてない訳ですから、実際には赤信号も見ないで渡ろうとしている訳です。これが今の現実です。TPPってのは基本的には、昔戦争、今TPPです。昔は戦争を仕掛けて国益を取りました。ところが公然と核兵器を持つ時代になったら、お互い面と向かって戦争は出来ない。地域紛争は勿論起こりますけども、国家として国同士がぶつかり合えないですから、国益を取る。むしろグローバル企業ですけれども、国を動かしているグローバル企業の利益を取る為に、貿易上の仕組みを変えて利益を取ろうってのが正にTPPでございます。これがTPPの本質でございます。
米国の医療はとんでもなく高い。日本のGDPの20%以上を占めてますし、日本の7倍の医療費が使われてる。TPPになるって事は、結局アメリカナイズされた医療になるという事でございます。もうお互いに助け合うとかですね、共に生きるなんていう発想は無いんです。とにかく、医療も完全に金儲けの道具になるというふうに考えて下さい。米国のロビー活動費見たら、何がターゲットですか?農業とかそういうものじゃないです。最大のターゲットは保険も含めた医療業界の仕掛けなんです。2013年の3月4日付けのタイムスに28ページに渡る、米国医療の驚愕・医療ビジネスという特集号が出てました。正にこの中から取った記事であります。こういう事によって日本の医療は多分、かなり大幅に変わると思います。ちなみに米韓FTAが2012年に締結されましたけど、韓国の医療費は2年間で2倍になりました。日本は韓国の医療規模の4倍位ありますから、恐らく、あっという間に膨大にお金が飛び上がる。今オプシーボ(新型がん治療薬)で、半額にしようなんて議論やってますが、そんな話じゃ全然なくなります。本当に深刻です。
1985年以来、とにかく日本の医療市場を解放する様に、アメリカはずっと働きかけて参りました。最近では新薬創出加算の様なものを作ったりして、一様に製薬会社が有利な形で日本市場に参入して参りました。しかしTPPが正にこういったですね、米国が日本の医療産業の解放を行う最後の仕上げがTPPだと僕は考えております。ちなみに米国業界と保険業界の標的は日本市場であるという事は、全国保険団体連合会の寺尾さんの論文からサマリー(要約)を取ったものです。
私が医者になった頃は、1ヶ月の抗がん剤は数千円でした。90年代になって数万円になりました。21世紀になって数十万円になりました。そして3年前の免疫チェックポイント阻害剤が出たら数百万円になりました。桁3つ違ってますけども、TPPが締結されればどうなるか?要するに、アメリカの製薬会社の殆ど言いなりの値段になりかねない。中医協(厚生労働大臣の諮問機関)ではチェック出来ません。中医協のやってる事が透明性とか公平性を欠くとISD条項で訴えられたら出来ませんので、かなり製薬会社の意向を汲んだ価格になる。ダントツで日本の医療費は飛び抜けます。最終的にはですね、皆保険も実質的に崩壊するというふうに考えております。
患者負担が増大し、混合医療が解禁されます。民間医療保険が拡大します。営利産業が医療に入ってきます。このままでは日本の医療は崩壊し、日本人の健康は守られません。新技術が保険診療に出来ない事態が考えられますし、実際の術式(外科手術の方式)までですね、特許料を取るというような事態になります。医療費も高くなりますので、国民はみんな医療保険に入らざるを得ない社会にもなりかねない。
TPPの本質は、グローバル企業が一般国民を犠牲にした金儲けでございまして、自由貿易は善であるという前提なんですけど、国の状況とかですね、経済格差を考えてやるべきであって、これ自体が本当に良いかどうかは話が別ですね。産業革命以来、富の源泉ってのは労働力でした。今はロボットも使える、AI(人工知能)も使える。そしたら何が富の源泉かっていうと、科学技術を持つか持たないかです。そうすると、科学技術の負の側面は隠蔽するという事になりますし、そういう事が金儲けになっちゃうと、とんでもない格差が出来ます。それをどういうふうに公平性を保って再配分するかっていうのが本当の意味での政治家の仕事だと思います。こういった本質的にやるべきことをきちっとやらないで、どんどん企業が儲けるようなところに世界を誘導していくってのは、とんでもない事だと思います。
一人の人間として、共に生きる社会をどう作るかっていう事を本当に真剣に考えて頂きたい。最後になりますが生命を脅かすTPPの2つの大きな問題がございます。医療問題を言いました。もう一つは健康問題です。例えばこの40年間、ホルモン依存性のガン、女性は、僕医者になった頃、乳ガン15000人でした。今90000人です。前立腺ガンも殆どいなかったけど、今90000人で、男性の罹患者数のトップになりました。卵巣ガンもどんどん増えてる。子宮体ガンも増えてる。ホルモン依存性のガンが5倍になってるんですよ。この40年間でアメリカの牛肉消費量は5倍になりました。正にエストロゼン(女性ホルモン)入のエサを与えて1割生産性を高めて、そういう肉を食べている日本人もアメリカ人も5倍になってるんです。ホルモン依存性のガンが。それから耐性菌もそうですね。豚や鶏には抗生物質入りのエサを与えて生産を高めてる。そのため、人間が肺炎になっても薬がなかなか効かないという問題もございます。それから残留農薬が世界一緩和されてる。とんでもない話だ。今一番使われてるネオニコチノイド系の農薬が自閉症の原因であることが突止められてます。WHOでは発ガンにも関係しているとBランクにランキングされました。それから認知症にも関係している。鬱病にも関係しているという報告がどんどん出てきている。このままいけばアメリカの子ども達が、二人に一人が自閉症になるよという論文が、ハーバード大学から去年出ました。本当に、こういう事が深刻なんですね。
遺伝子組換えを日本人が一番食べてる。アメリカにとって、大豆やトウモロコシは家畜のエサです。ところが日本人は納豆で大豆食べます。味噌や醤油の原材料です。一番食生活で、遺伝子組み換えの影響を受けるのは日本人の食生活なんです。こういう事が全くチェックされないで、世界一、遺伝子組み換え食品が普及してる。日本人の健康そのものが保てません。ガンの患者さんが増えてるのは高齢者だけじゃないです。食生活を含めて増えてるし、更にもっと深刻なのは、昔60以上になってガンになってたのが、今は40代はザラです。約20年、若年化してガンになってます。これが現実です、僕の実感として。自分達の国で農薬を規制したり、遺伝子組み換えを表示したりする事が、TPPに入った場合に出来なくなっちゃうんです。日本の国の決まりよりもTPPの方が上位にある訳です。こういう現実を冷静に考えて頂きたい。
最近では遺伝子組み換えで、鮭も5倍位大きいものが作られてますよね。これも規制しなくていいの?ってことですよね。本当に何があるか分かりませんよ。子宮頸がんワクチンだって、今まで不活化ワクチンか弱毒化ワクチンで作ってたんです。だから大きな問題は起きなかった。子宮頸がんワクチンは遺伝子組み換え技術で作ってるんです。更に効果を高める為に、アルミニウムの様なアジュバント(補助剤)を加えて作ってるから、ああいう予期しない問題が起こっちゃう訳です。もう少し冷静に、命を重視する、お金よりも命を大事にするっていう発想に切り替えるべきだと思います。
最後に、大変深刻なのは、今、福島から出ている放射性物質、これは微粒子として浮遊してます。残念ながら。そういうものと、農薬も含めた化学物質が人間の身体に入った場合、相乗的に発ガンするって事が動物実験で分かってます。こういう多重複合汚染の社会になって来て、恐らく2人に1人がガンになるっていわれてますけども、多分20〜30年経ったら3人のうち2人はガンになります。僕はとっくに死んでますから、若い議員さんは是非確かめてください。この場で西尾が嘘を言ったかどうか確かめて欲しい。本当にガンがどんどん増える社会になります。自分たちの国でキチッと法律で、ある程度規制出来る様な体制を作る為には、決してTPPに加入すべきではないと私は思っております。
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書き起こし終わり

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2016年11月28日月曜日

農村消滅論からの大転換!

 11月24日、東京八重洲で行われた第2回スマートテロワール研究会の議題で、スマートテロワール協会の一般社団法人化が決定されました。
 それに先立ち、22日の日本経済新聞25面に、添付の意見広告が掲載されました。

 「スマート・テロワール・農村消滅論からの大転換」(松尾雅彦著学芸出版社)の著者松尾雅彦氏を中心に関係者が練りに練っただけあって、すばらしい文章です。

 お読みになる時は、添付ファイルをクリックして、元のサイズに拡大してください。
 或いは、画面を拡大すると読めます。

 みなさん、この意見広告を是非リンクして拡大してください。お願い申し上げます。


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2016年11月19日土曜日

「東信自給圏を考える会」in 野沢

今のままではマズイ! とお考えの方、
是非見てください。聞いてください。

どなたでも、どちらからでもOK。予約無用、無料。

11月25日(金)PM7:00〜9:00
佐久市取手町 野沢会館 (「取手町相生」信号前)






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2016年11月16日水曜日

あべ守一後援会 会報

阿部守一長野県知事の後援会会報です。
今春号ですが、「郷学郷就」と「地消地産」についてとても判りやすく書かれています。
子育てと教育に大きな力を傾注していることが判ります。
「地消地産」については次のように語っています。

『「地産地消」ならぬ「地消地産」は、地域内の経済循環を促し、内発的な経済発展を目指すものです。「地産地消」それ自体も重要ではありますが、「地消地産」はこれを更に進めて、地域で消費するものを地域で生産していこうという能動的な置き換えを促すものです。』

私たちNPOでは、「東信自給圏をつくる会」を立ち上げようとしております。知事は自給圏という言葉こそ使っておりませんが、自給圏の根底となる考え方と合致しています。
是非力強く推進していただきたいと思います。

(画像の文字が読みづらいので、拡大してお読みください。)

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2016年11月14日月曜日

ガストロノミニー(美食革命)で活性化!

 これは、「ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構」が設立されたという「トラベルWatch」にアップされた記事(下にURL)です。私がガストロノミニーという言葉を「スマート・テロワール」の著者である松尾雅彦さん以外から聞いたのは初めてです。この言葉の認知が広がる契機になればと期待が膨らみます。

 会長の東京都市大学 教授 涌井史郎氏からの挨拶から抜粋します。
<・・・そして、「『美味しいものを食べて、癒されたい』というのは国民共通の願望であり、それに対する答え、ヒントとして欧米では、フランスのアルザス地方を中心としたムーブメントに美食学、『ガストロノミー』という言葉にあるように、食や食文化を通じて健康を維持していこうという考えがあります。一方で『カントリーウォーク』といった歩きながら地域の美味しいものを食べ、健康を維持していくというムーブメントもあります。
 日本でもその土地ならではのものを食べることが人間の健康にとっていいんだという考えもあり、自然と接して、食文化と接して、自分のストレスをマネージメントしていくことが、歴史的にも培われてきています。これを国土と人間の健康のために『温泉』という日本の資源を活用しながら、活性化していくことを目的としております」とガストロノミーについて説明。・・・>

「温泉」「食」「ウォーキング」で日本を元気に

この一般社団法人は、ガストロノミニーをテコに温泉地を活性化させようという目的ですが、温泉地を東信地域に拡大すれば東信スマート・テロワールになります。スマート・テロワールという言葉はフランス語で、静岡県知事川勝平太さんが「美しく強靭な農村自給圏」という名訳を付けられました。ご関心のある方は、下記URLをお読みください。

農村消滅論から大転換

2016年11月8日火曜日

「地域おこし協力隊」が語る、移住3年間の歩みとこれから

長野大学と千曲川流域学会の主催です。
テーマは、「農・食・暮らしの自給で人びとが集う地域へ」。
どなたでもどちらからでも、申し込み不要、参加無料。












































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2016年11月7日月曜日

シンポジウム「食・農・自給の里づくり」とUIターン のお知らせ

長野大学が主催するシンポジウムです。
参加者を一般公募しています。
参加無料!申し込み不要!

「食・農・自給の里づくり」とUIターン は全国の地方共通のテーマです。

NPO法人信州まちづくり研究会の会員も参加します。
どなたでも、どこからでもご参加ください。



中央公民館 アクセス


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2016年4月10日日曜日

ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ

この演説はすばらしい!重農主義とは言ってませんが、その本質を語っているように感じます。

Hana.bi から引用させてもらいました。
原文は下記ユーアールエルからどうぞ。
http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/ 

(訳:打村明)

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会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。
しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。

息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?
なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?
マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

 私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?
このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。
ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。
このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。
石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。
昔の賢明な方々、エピクロスセネカアイマラ民族までこんなことを言っています

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。
国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。羊も800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。
私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。


参照元 Read the original here: http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/#ixzz45LiyOQPL 
Under Creative Commons License: Attribution Non-Commercial 
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2016年4月4日月曜日

サステイナブルコミュ二ティのルーツと課題


HICPM メールマガジン第658号(2016.04.04)から転載させて頂きました。
 サステイナブルコミュ二ティとは何か、が判りやすく簡潔に説明されています。

(HICPMは末尾に表示)
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「サ ステイナブル」という言葉の最初のきっかけ
 サステイナブルという言葉が日本社会で使われてから、20年近くなります。HICPMが2000年を迎えるに 当たって米国とカナダの最先端の住宅政策の取り組みを調査し、「サステイナブルハウス」を開発したことを思い出します。
 そのときのサステ イナブルハウスは、サステイナブルコミュニティを形成するための住宅という意味のサステイナブルハウスで、計画の思想としてはピーター・カルソープが、カリフォルニア大学バークレイ校で「サステイナブルコミュニティ」というセミナーを実施し、大きな街造りの考え方をコペルニ クス的に転換させていました。

新しい都市計画理論の模索
 既に旧聞になっていますので、もう一度、「サステイナブル」という考え方を原点に返って考えるという意味で用語としての「サステイナブル」についてご説明いたします。
 戦後世界の都市計画は戦後経済復興という大きな目標に向けて、産業主導の都市計 画が実施されていました。その結果、住環境が産業活動の犠牲となる都市が生まれ、それを住民の生活本位に組み替える都市計画を造れないかという考えが社会の中に強くなっていました。産業が重厚長大産業から軽薄短小産業に構造変革された結果、都市計画は港湾を中心にする産業 から自由な立地型産業に変質したこともあって、産業立地を自由に行うことができるようになった環境変化もありました。
 そこで豊かな国民生活の計画を産業立地と切り離して行う可能性が高まった状況を見て、国民生活を優先して考える都市計画の提案と実践が取り組まれました。米国での最初のハビタットがカーター大統領の指揮で行われた「ミラクル・オブ・ザ・ボーダー(米国とメキシコの国境に現れた奇跡)」と呼ば れた「ランチョベルナルド」開発(カリフォルニア州、サンディエゴ))の開発やアーバイン開発(カリフォルニア州ロサンジェルス)はその典型的な試みでした。

ラグナーウエスト
 それらの開発を理論化したものが、1980年カリフォルニア大学バークレイ校でピーター・カルソープがおこなっ た「サステイナブルコミュニテイの開発理論」のセミナーでした。元カリフォルニア州で開発行政を担当していたヒル・アンジェデリスは既に 行政担当者ではなくディベロッパーとして都市開発に取り組んでいましたが、カルソープのセミナーを聴き、その考え方に共鳴し、ピーター・カルソープをそれまでヒル・アンジェデリスが取り組んできたラグナーウエストの開発のプランナーに招聘し、サステイナブルコミュニティ—と してラグナーウエスト(カリフォルニア州、サクラメント・カウンティ)の計画を仕切り直すことにしました。
 その開発理論を聴いたアップル コンピューターは、そのグループを挙げてラグナーウエストに集団移動することを決定したことで大きな話題となり、その後ランチョベルナル ドました。

ハワードの「ガーデンシティ」の現代版理論
 サステイナブルコミュニティの計画理論は、豊かな生活環境が営まれる街は、優秀な人材が選ぶ街であるので、優秀な人材を雇用している企業や、優秀な人材を雇用しようとする企業はそこに集まってくるという考え方です。この考え方はエベネザー・ハワー ドのガーデンシティの考え方と基本的に共通するものです。
 「都市計画の目的は何か」と言えば豊かな都市生活の実現です。その意味で、カル ソープの都市計画の考え方は、ハワードの「都市はそこに住む人を豊かな生活をさせるところ」という考え方をIT時代に読み替えて発展させ たものでした。豊かな都市生活を実現する都市は、常に売り手市場であり続ける都市で、キャピタルゲインを実現し続ける都市です。

単なる営業販売上の言葉でしかない日本の「サステイナブル」
 日本で言われる「サステイナブル」という言葉は、開発業者が希望する販売を維持し続けるサステイナブル(持続可能性を有する)コミュニテイですが、ピーター・カルソープが提案するように都市が住民たちの生活を通して発展し、資産価値の上昇がサステイナブル(持続性を持っている)な訳ではありません。
 都市がサステイナブルの条件を求めるためにはそうしなければならないかということに関し、HICPMが2000年を前にアメリカとカナダを調査して回って明らかにしたことは、住宅を取得して人たちが、そこに持続的に住み続 けたいと願うコミュニテイであるとともに、何かの事情でそのコミュニテイから退去しなければならなくなったときには、その住宅は購入時よ り高い価格で、投資利益を回収する形で売却することができなくてはならないと考えました。

サ ステイナブル:生産コストを引き下げ、購入者の支払い能力の範囲で購入できること
 HICPMが当時提案し、全国で合計約1、000戸建設された住宅は、高断熱住宅(¥1,300万円)を20%以上カットして、1,000万円を切ってで供給することでした。その様な価格で供給できた住宅は、既存住宅市場で住宅地の熟成を反映して物価上昇分以上の価格で販売できると判断されたからです。実際HICPMで提案したサステイナブルハウス は、全て1,000万円以下で供給することができたわけではなく、2、000万円以上で販売されたものも沢山ありましたが、同一品質の住 宅と比較して割安であることもあって販売されました。
 私達の希望は、この住宅を使ってCMを実践していけば、住宅価格は20〜30%のコ ストカットを実現できるだろうという予測でした。しかし、それ以前に設計社の成瀬さんと建材と施工を扱う小汐さんがお亡くなりになりサステイナブルハウスを推進することが不可能になってしまいました。

今 一度、住宅所有者の資産形成を実現するプロジェクト
 サステイナブルハウスに続きの物語を行おうとその後再三試みましたが復活できませんでした。私は目下最小限規模のサステイナブルコミュニテイの実践モデルは作成し、それを実現することを通してサステ イナブルコミュニテイを実現しようと努力しています。
 夏休みごろまでにはHICPMビルダーズマガジンにその考え方をご披露したいと思っ ています。これは、現代の歪んだ固定資産税制度の中で、土地所有者(住宅と土地が一体となったホームオーナーズ)をまず大切にするという 欧米の考え方に立って、ハワードが、貴族の領地経営から住宅地経営のヒントを得た原点に立ち返った考え方を現代日本で生かそうとするもの です。

「サ ステイナブルなスマートタウン」の調査を行ってきます
 サステイナブルハウスやサステイナブルコミュニテイは、その言葉自身は「持続性のある」という意味で、資産価値が上昇するという直接的な意味はありませんが、言わずもがなのこととして、購入した住宅が既存住宅市場で物価上昇以上の比率で資産価値を上昇し続ける住宅のことをいうことは、少なくとも欧米では常識になっています。
 そのための条件は、既存住宅市場で常に売り手市場を維持し続けることを言います。それを日本ではそのような条件を有しないことが明らかな住宅に無批判に「サステイナブル」という言葉を関していることです。

(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)

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特定非営利活動法人 住宅生産性研究会(HICPM)
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋2-13-3 仁藤ビル2F
TEL:03-3230-4874 FAX:03-3230-2557
e-mail:info@hicpm.com
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2016年4月3日日曜日

経済低迷も農村消滅も根っこは同じ!

 下記メルマガから引用させて頂きました。
 私はこれを読んで、経済低迷も農村消滅も根っこは同じ、と思いました。
 特に日本独自の要因」には同感です。

『from 911/USAレポート』第713回
「日本経済低迷の主因は外部要因?それとも内部要因?」
 ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)


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■ 『from 911/USAレポート』               第713回
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 短い間ですが、日本に一時帰国していました。東京には雑踏があり、卒業式のシー
ズンとあって羽織袴姿の女子大生が行き来していたり、その一方で多くの外国人観光
客を目にしたり平和な光景には、特に何の問題もないように見えました。

 ですが、その一方で、安倍政権は「消費税率アップの先送り」を真剣に検討してい
るようですし、多くの経済指標は依然として「マイナス成長」が続き、もはや恒常化
しているということを示していました。そんな中、鴻海によるシャープの買収がよう
やくクロージングを迎えるなど、日本経済に取ってネガティブなニュースも、特に痛
みの感覚もなく報道されていたのに驚かされました。

 私は、そんな中で違和感を感じざるを得ませんでした。このまま「マイナス成長の
恒常化」ということは、要するに年率換算で1.4%なら1.4%で経済が縮小し続
けるということになります。要するに今年は、昨年のGDPの98.6%、つまり0.
986倍にしかならないということであり、仮に同じようなマイナス成長が来年も続
くのであれば、今年をはさんだ2年間で0.986×0.986≒0.972になり
ます。仮に10年このようなマイナス成長が続けば、その10乗となり、約0.86
8倍、つまり14%マイナスになるわけです。

 問題は、その原因です。

 日本がマイナス成長に陥っている原因としては、大きく2つに分けて考えることが
できると思います。外部要因か内部要因か、日本の外部に原因があって、日本にはコ
ントロールできない、つまり世界経済全体に共通のファクターか、あるいは日本一国
の問題かということです。まずは、外部要因、あるいは世界経済一般に共通の問題で
すが、これはカテゴリの(1)として(1−1)から(1−10)ぐらいに細分が可
能です。

(1−1)グローバルな流通・決済システムが完成したために、国際分業が進展し、
大量生産品は人件費の安い地域へ生産地がシフトし、全体としてはコスト安が実現さ
れた。

(1−2)主としてオバマ政権の密かな努力によって、エネルギー源の多様化が進み、
世界的なエネルギー価格が安値安定の時代を迎えた。

(1−3)世界的にIT化が更に新しい段階へと進む中で、事務コストの劇的な削減
が進んでいる。

(1−4)機械製品など、多くの製品ジャンルで生産技術の進展と共にコストが下落
している。食料の価格も、生産技術の進歩により安定している。

(1−5)生活必需品に関わるライフスタイルにおける世界での標準化が進み、低価
格の大量生産品が市場を席巻し、高付加価値の奢侈品のニーズが縮小した。

(1−6)電子機器は端末の多機能化と標準化が進む中で、ハードの市場と価格は全
体で縮小の方向が著しい。

(1−7)輸送用機器や運輸サービスも、LCC航空、自動運転車などの普及という
トレンドの中で付加価値が削ぎ落とされる傾向にある。

 ここまでは、構造的な変化ですが、その結果として出てきている現象としては、

(1−8)中国経済がスローダウンを迎えている。

(1−9)ブラジルやロシア、トルコなどの新興国経済も急速なスローダウンを迎え
ている。

(1−10)北米や欧州では、2008年から09年の大きな「底」からの景気回復
が続いてきたが、波動を繰り返してきた欧州だけでなく、北米にもスローダウンの兆
しがある。

 といった問題があるわけです。アメリカの大統領選で、バーニー・サンダースに引
きずられる格好でヒラリー・クリントンが「バラマキの大風呂敷」を広げたり、真偽
は不明ですが、ポール・クルーグマンに対して安倍首相が「財政余力のあるドイツに
財政出動を期待」と言ったとか、言わないという話はこの(1−8から10)に該当
します。

 ですが、因果関係としては、7番までの構造的な問題があって、その結果として8
から10のスローダウンがあるわけです。勿論、日本から見れば、8から10という
問題も日本経済への影響が大きいわけですが、重要なのは、あくまで1から7の変化
です。こうした変化のトレンドがある限り、例えばヒラリーやメルケルといった政治
家が「積極的な財政出動」を行ったとしても、効果は限定的であると思われるからで
す。

 このことは、それこそ、2009年にオバマが実施した「景気刺激策」の効果が限
定的であり、また90年代から日本が何度も投入した「積極策」もまた決して成功し
なかったということが証明しているように思います。

 一方で、日本独自の要因ですが、こちらはかなり特殊な事情があります。

(2−1)人口減による国内市場縮小の恐怖が、企業の国内向け設備投資も、個人の
消費意欲も減退させている。

(2−2)少子高齢化の進行は、全人口における就労人口比の更なる低下をもたらす
だけでなく、将来不安により実際に負担が拡大する以前に、投資や消費を減退させて
いる。

(2−3)新興国と比較すれば、まだまだ高人件費である日本は、改めて中付加価値
大量生産の拠点という地位を奪い返すほどの競争力はない。

(2−4)国家の累積債務は、国内の消費意欲を減退させるには十分だが、債務を円
建てで消化してしまっているために、何もしなければ「比較優位で」円高に振れてし
まうという苦しさがある。

(2−5)最初は国内の高人件費や為替変動を嫌ったり、貿易摩擦の結果の譲歩とし
てスタートした「現地生産化」が、現在では「国内からは世界の消費市場が見えな
く」なった結果、必然的な問題として加速、その結果として巨大な生産量と雇用が流
出し、しかもそのトレンドが止まらない。

(2−6)エレクトロニクス産業においては、世界の最終消費者市場を獲得する継続
的な努力が途切れてしまったために、重電による法人・公共需要という分野か、また
はハイテクのコモディティ化を受けた部品産業への逃避が起きた。結果として、産業
全体の収益が収縮し、特に利幅とキャッシュフローが大きく毀損した。

(2−7)エレクトロニクス産業にしても、例えば航空機産業にしても、長期的でリ
スクを選好する資金が国内に決定的に不足している一方で、長期的な自国通貨への信
頼が欠ける中で国際的な資金調達にも躊躇がされる中で、技術や人材に比べて「慢性
的な資金不足」のために産業が拡大できない。

(2−8)リスク選好資金の不足ということは、産業としての金融業の発展も阻害し
ている。英国が長期の「英国病」から蘇ったような金融業の貢献は、日本の場合は現
時点では期待できない。

(2−9)IT産業における主導権がハードからソフトに完全にシフトしている一方
で、日本ではプログラムやコーディングを担う人材の社会的・経済的地位が低く、従
って高付加価値を生み出すような人材育成ができていない。その一方で、「ハード製
造の夢よもう一度」といった懐古的で後ろ向きなセンチメントが根強い。

(2−10)小規模農業や、オフィスの間接事務部門、サービス業の多くなど、全産
業の中に局所的に「生産性が先進国で最低水準」の部分を抱えている。

(2−11)コスト負担を嫌って「上場を回避」する企業の増加、東芝やオリンパス
の問題には無力であった形式だけのコンプライアンス、哲学を理解せぬまま半身の構
えで導入が進むIFRSなど、資本主義の根幹にある制度インフラに実効性が伴わな
い。

(2−12)世界だけでなくアジアの公用語も英語となる中で、依然として実用的な
英語教育が実践できていない。これに加えて、ヒエラルキーの文化が捨てられない中
で、英語圏への劣等意識から、一種の植民地のような英語への態度が残っており、
「英語を導入してもコミュニケーションの生産性が上がらない」という独特の病を抱
えている。

(2−13)非就労人口の世論形成への関与が増大しており、以上のような問題の解
決への世論の後押しが期待できない。

 というような問題が指摘できるわけです。シャープが鴻海に買われ、東芝が粉飾決
算の結果として事業の多くを切り売りすることとなり、その一方で、自動運転車の登
場が「自動車の運転」という行為とそのための自動車の購入ということの「付加価値
を破壊」する危険がある、それでも危機感が社会全体に広がらない背景には、こうし
た根深い問題を指摘することができます。

 今回の消費税率先送り論議については、「先送り」が不可避という結論に関しては、
ことここに及んでは否定するのは難しいのかもしれません。

 ですが、昨今の「先送り論議」に関しては、やはり強い違和感を感じます。という
のは、主として(1)の、つまり外部環境が厳しいから、世界経済の需要後退がある
から日本がマイナス成長に陥っているという議論が主流だからです。

 そうではない、問題は(2)の日本独自の要素であり、そこを改革していかなくて
は「プラス成長」への復帰は難しいのです。プラス成長に復帰できなければ、当然の
ことですが「プラス2%」の消費増税を吸収はできません。

 勿論、増税をしなければいいというわけには行きません。国家財政の赤字体質は何
とか改善してゆかねばならないし、仮に更に悪化するようであれば、最後には自国通
貨の価値は大きく毀損され、エネルギーや食糧の自給のできない日本としては、国民
の生活水準の大幅な切り下げを余儀なくされるからです。

 また、今後もマイナス成長が続くようでは、やがて日本は先進国から脱落していく
危険があります。近代の歴史の中には、過去にも英国が「英国病」という長期の停滞
を余儀なくされたことや、一旦は先進国並みの経済力を誇ったアルゼンチンが畜産業
の競争力喪失により、経済的地位を大きく低下させたという先例はあります。

 ですが、これだけの規模の経済を誇り、これだけの成功を誇りながら、先進国の地
位から転落するという例はありません。具体的には一人あたりGDP3万ドルの水準
を大きく超えていたのが、改めてこのラインを割っていくようなストーリーを描いた
国というのは、ないと思います。そして、あってはならないことです。

 確かに(1)にあるように、グローバルな経済縮小の要因ということは大きいと思
います。そして、この問題への処方箋は描きにくいのも事実です。この(1)が世界
共通のスローダウン要因、あるいはグローバルなデフレ構造の要因として否定できな
いとして、日本経済の場合は、更にその上に(2)にあるような日本独自の要因が重
しのように乗っかってしまっているのが現実です。

 その克服のためには改革が必要です。改革というのは、多くの産業で、その資金配
分や個々人の行動様式を変えていくということです。ですから、当然に「痛み」を伴
います。ですから、改革か、衰退かという選択肢について、国を挙げての議論を起こ
す必要があるように思います。その議論が十分でない、いやそのような議論の気配も
ないということでは、本当に日本は先進国から脱落してしまいます。

 新しい年度のスタート、そして参院選などの政局の季節の本格化を前にして、改め
てこの問題の議論を深めていかねばならないと思います。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ
消えたか〜オーラをなくしたオバマの試練』。訳書に『チャター』がある。 最新作
は『場違いな人〜「空気」と「目線」に悩まないコミュニケーション』(大和書房)。
またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。
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